
トレーニングも兼ねてご近所の山へ。絶景と熊に出会った一日。

鳩打峠から小八郎岳経由で烏帽子岳山頂へ。合計距離:8.95km 累積標高(登り):1068m (下り):1058m---------------------------------------------------------------
烏帽子ピストンでも登ってみたいなとずっと思っていました。
山頂までのコースタイムは4時間。余力があれば池の平か、念丈まで行こうかなぁなんて思いつつ…。

朝6時。隣町(松川)にある鳩打峠に到着。仮設トイレがある広い駐車場です。今日は我々が一番乗りの様子。

少し登ったところに登山届があるのでちゃんと書いて出発。まずは一時間ほどの所にある小八郎岳へ。樹林帯をゆるゆると登っているうちに朝陽が昇ってきました。

辺りが明るくなってきた\(^^)/途中、小八郎岳を経由するルートとそのまま進むルートとの分岐があります。我々は今回小八郎岳に寄るのでそちらのルートへ。

しばらく登って、小八郎岳に到着!

おお、ちょっとぼんやりとしているけど絶景です。南アルプス側がどどんと開けています。


いつも家から眺めている仙丈、甲斐駒、鋸。

麓の町が眼下に。
そうそう、この山に登る道中、見逃してはならないのがこちら↓

一合目、二合目・・・ではなく、小一郎にはじまり

小二郎、小三郎、小四郎・・・と可愛い坊ちゃんの絵があるのです!まだ新しいから、この山の整備をされている地元の方が描かれたのかな?ちなみにこの絵があるのは小七郎まで。あれ?肝心の小八郎は・・・??

もしかしたら、山頂にあるこの小八郎さんの石碑が最後の「小八郎」になるのかしら。ちなみに小八郎さんとは片桐小八郎さんという昔の武将とのこと。 保元の乱(1156年)で源頼朝の父義朝に従い勇名を駆せたが、次の平治の乱(1159年)で戦死したこの地の武将片切小八郎大夫景重(昔の正式名)が、避暑のために夏の城として滞在した山である。
・・・とのこと。(信州山岳ガイドさんのサイトよりm(__)m)

西側に目をやると、とんがり頭が。あそこが烏帽子山頂になるのかな?

向こうが本高森なのかな・・・全然違ってたらスミマセン。

まだ一時間も歩いていないけど、ここでひとつめのおにぎりをムシャっと。いつもは山頂でお昼ご飯と称してある程度まとまった量を食べる+行動食少し、といった感じ。今回はお昼ご飯や行動食の代わりに小さ目のおにぎりをいくつか持ってきました。休憩の度にちょいちょいお腹に入れるようにしようかと。といっても本来はこれが正しいんですよね。シャリバテ予防。(おにぎりはひとつの例にすぎないけど)日帰りの山だとそこまで意識しなくてもいいのかもしれんけど、念のため…。

山頂にはマツムシソウの群生地も。まだお花残ってて嬉しい!色もきれいだし姿も可愛いお花ですよね。
さて、10分ほどのんびりしたら出発です。烏帽子への道のりはまだまだ長い。

小八郎から少し下ると、もうひとつのルートとの合流地点がありました。こんなふうに登山道には〇/10の看板が付けられているのでわかりやすくて有難いです。

あ、レンズが曇ってしまった。カラマツと青空って素敵だわー。

木々の間から反対側の山の斜面がちらりと見える。点在する赤や黄色がとてもきれい。


ネットで見た情報だと、笹刈りだけでなく鎖場に階段をつけたり倉庫(道具入れ)が設置されたり、どんどん整備が進んでいるそうです。

地図を見ると、6合目の辺りから左側の斜面が大きく崩れているので(セキナギ)「通行注意!」と書かれていますが、危険な箇所にはきちんとロープが張られ、実際は右側に作られたふかふかの道を歩いていきます。

危ないからのぞかないように!と地図に書かれていたけど…

安全なロープの内側からちょいとだけ下を見てみました…ヒョエー

でも眺めは最高!

とはいえ左側がすーすーしてちょっとこわいのでささっと通り過ぎます。このあとも右側の斜面を巻くように登り続け、気が付けば8合目に到着。静かな樹林帯をさくさくと歩いていると…
ガサガサ
???
気のせいかな?笹が揺れたような気がするんだけど。立ち止まっていたら後ろから来たオットに「どうしたの?」と言われたので「いや、ガサガサ聞こえたんだけど気のせいかも」と答えつつ音のした方をじっと見たら…
ガサガサ
やっぱり笹が揺れてる!鹿か?イノシシか?く、熊か??持っていた熊鈴をシャンシャンシャンと鳴らすと
ガサッ
熊だ( ゚Д゚)

とはいえちょっと距離があったので熊かカモシカかよくわからない。そこでオットが望遠鏡の代わりにカメラの望遠レンズで見てみたところ
「・・・熊だね」
(;´Д`)!!熊鈴シャンシャンシャンシャンシャン!!
本当に本当に申し訳ないんだけど、こちらに来られても困るので熊鈴を鳴らしたら反対側の斜面へ登っていってくれました…。おそらく熊は「なんだようるせぇな」と思ったことでしょう…すいません。
斜面を登っていくずんぐりとした後ろ姿を見て、オットがもう一度
「・・・熊だね」
(;´Д`)

向こうに行ってくれたから、今のうちに進もう…ということになったけど、内心気が気じゃない…!!!オットと先頭を代わってもらい(生贄にしようと思ったわけではない)ささささっと登る。途中、熊が登っていった方の斜面をちらちら見ていたオットが最後にダメ押しの一言。
「・・・やっぱり熊だね」
(;´Д`)
実は烏帽子に登る二日前、わたくし熊の夢を見たのですよ。場面は自宅で、庭の奥の方にヒグマクラスの巨大な黒い熊が出現しまして。店内…というか家の中まで入ってきてしまい大パニックになったという夢。しかも9月に山で熊鈴を失くしてしまったので買い直したのですがどうも音が小さいような気がして…なんとなく熊に会いそうな予感がするけど大丈夫かなぁと心配していたのです。
そんなこともあって今回私はかなり神経質になっていたんだと思います。今までだったら笹が多少揺れても気付かなかった可能性が高いかも。…つまり、今まで気付かなかっただけで熊の近くを通過したこともあったんだろうな。熊の生息域にお邪魔してるんだから当たり前か…。(※山域によっては熊がいないこともあります)

8合目までかなりいいペースで登れていて「烏帽子もっとキツイかと思ったけど意外と楽勝!!」とウホウホしていた私ですが熊を見たことで精神的ダメージと緊張が大きく、ここからペースがた落ち…!
ふと気付いたら目の前には巨大な岩。え、烏帽子岩か!?と思ったけどそれはもう少し先でした。

あっ、烏帽子岩らしきものが見えた!!

この辺りまで来るとこれまた絶景。雲海だ。ガスがだいぶ上がってきているけど素晴らしい眺め。

さあ山頂近くまでやって参りました。直登コースと巻き道コースとがあります。ここの岩場が結構面白いと聞くので右側の直登コースで行きましょう。(上級者向けとされていますので岩場が苦手な方はご注意ください)
と、この分岐で少々立ち止まっていたら、下から熊鈴の音が。おお、どなたかいらした!!とわくわくする我々。単独の男性が上がってこられまして少しだけ立ち話をしたのですが、その方は毎年春と秋に必ずここに登りに来るとのこと。「来るたびに整備が進んでいて本当にすごいよ!」としきりにおっしゃっていました。常連さんにとっては毎回新たな発見があって楽しいだろうなぁ。
その方は巻き道を行くとのことだったのでここでお別れし、私たちも進みます。

こんな道から、

景色が一変!

思わずニヤニヤしてしまう風景。

こちらの烏帽子岩、とくにペンキマークはないようで地図にも「コースを自由に選んで岩登り」と書かれています。

どう登ろうかな…よっこらしょ。

わっせわっせ。

テッテレー!!

登りならそんなに危険ではないけど、高度感があって楽しい!!

ガスが湧き上がってくる。視界の右側は真っ白になりつつ…

そんな絶景を振り返りつつ先に進めばじきに

山頂に到着でございます\(^^)/お疲れ様でした~下の分岐でお会いした方はいらっしゃらなかったので先へ行ったのかな。

この先に行けば池の平、更に進めば念丈、もっと進めば奥念丈。もっともっと進むと越百に行けるのだねぇ。

左上にちょこっと見えているのが越百山頂かしら。右側のは・・・南駒?いや、その前に仙涯嶺なのかな?

場所が違うからいつもと見え方が全然違う・・・多分仙涯嶺。

おお、湧き上がるガスが美しい。紅葉も少し。


せっかくなのでセルフタイマーで撮ろうと思ったんだけど、微妙にタイミングが合わず思いっきり下を向いてる私。しかも逆光。

気を取り直して視線を東の空に。塩見がとんがっていますねぇ。

白根三山はやはり白くなるのが早いなぁ。

仙丈、甲斐駒、鋸のあたりはうっすら。

さて座っておやつを食べよう。今回おにぎりの他にこちらを持ってきました。近くにないため年に一度行くか行かないかの無印良品で買ったもの。うまーい。

おにぎりもまだあるよ。周りに巻いてあるよく得体の知れない黒いものは、海苔ではなくて今年の夏に作ったお葉漬け。
むしゃむしゃ食べているうちにもうお一人登ってこられまして。にぎやかになればなるほど熊との遭遇率が下がるので我々としては「ヒャッホー!」その方も烏帽子にもう何度も登られているそうで、更に現在通行禁止になっている中小川ルートからの越百も数回登られているとか('_')スゴ…しかも、近所の方だと思いきやなんと浜松から来られているそうでびっくり!
急に親近感が増してしまい、先へ進むというその方をつかまえて長々といろんな話をしてしまいました…その節は失礼しました。
しかし、浜松から烏帽子に何度も来られるというのは渋いなぁ…本当に山が好きなお方なんだなぁ。

さて…皆さん(といってもお二人だけど)先へ行ってしまわれた。これでまた静かな山になってしもうた…。私らはどうする?予定よりだいぶ早く登ってこれたので先まで行けそうだけど…
まあ、今回はいっか…。

下りは巻き道で行きます。

直登ルートとの分岐より少し上、立派な階段がつけられていました。ここがきっと鎖場だったところなんだな。この板一枚運ぶのも重くて大変そうだな…ご苦労様ですm(__)m

谷側が崩れて危ないところにはしっかりとしたロープも。

地元の皆さん、そして県外からのたくさんの登山者さんたちにも愛されている山。素晴らしいことだなぁ…
と思いながら歩いていると、下から登ってくる2名の男性が。「今日はどちらまでですか~?」なんて話をしていたら「いや、実は僕たちここの整備をしてて…」
おお、あなた方があの・・・・・!!!
「お噂はかねがね!」とつい握手を求めてしまいそうな気分だったのですが、自分の手が汚いうえ手袋に穴が開いていたので自粛(´Д`)お忙しいところを引き留めてしまい、色々とお話を聞かせていただきました。しかもお一人は最近当店に来てくださっていたようで(感涙)。更にもうお一人もこの直後わざわざご来店くださいまして(また感涙)。
ところで「さっきあの辺りで熊を見たんですよ」という話をしたら、やはり整備作業で頻繁に山に入る方々は熊と遭遇されているそうで「ああ~、ここは熊がいるからねぇ~」という反応。そういえば山頂でお会いした方も「僕もこの辺りで3回くらい熊を見たけどね」という話をされていたっけ…。皆さんのそういう反応を見て、なんだか逆に少し安心してしまった我々でした。そりゃあ熊いるでしょ…なにをギャーギャー騒いでいるんだ、と我ながらちょっと恥ずかしい。

作業のための時間を無駄にしてしまってはいかん、とお二人とは別れて再び下山をはじめた我々。少し下でも作業のために上がってきた他の皆さんともすれ違いました。

更にその少し下では、自称お話好きなとても楽しい男性お二人とも行き会って。山のことなど色々お聞きすることができました。そのお二人の元気なこと!冗談を言い合って一緒に登山ができるお仲間っていいなぁ。

平日だし、超メジャーな山というわけじゃないし、我々二人だけだったりして?と思っていた今回の山行。(傘山だとしょっちゅうそんな感じ)
思った以上に賑やかで、なんだかとても楽しい気持ちで歩けました。

きれいな色合いのミニもみじ。


登りでも気になったこちらの倉庫。上で聞いた話だと、部品をばらして皆さんで担いで運んだとか。すごいなぁ(*_*)

小八郎へ行くルートとの分岐があったけど、下りはまっすぐ進むことに。日が射して黄色く染まった木々がきれいです。

赤も。今年は気温が高かったせいか9月から10月初めの紅葉は良くなかったみたいだけど最近気温がぐっと下がってきたから標高の低いところはちゃんときれいな色が出てて嬉しい。

おお、りんどうがまだ可愛く咲いています。そんな嬉しい発見をしつつ、テクテクとひたすら下っていけば

無事に登山口に到着であります。ケガも事故もなく戻ってこられてよかった。

そうそう、これをきちんとしなければ。豚コレラウイルス感染拡大を防ぐための消毒スプレーです。靴底にかけましょう。

駐車場まで来ると、朝は1台だったのが10台以上車が停まっていてびっくり!下山中、他にも数名の登山者とすれ違ったもんな。整備の人たちも大勢いらっしゃったし。
いやあ、烏帽子岳とてもいいお山でした!時間もコースタイム登り4時間だったので休憩含め4時間半くらいかかるかと思ったけど、難所もないので意外と3時間ちょっとで登れたくらい。しかし念丈や奥念丈まで行かれる方はそれとは比べものにならないほど速い…いや、人と比べてもしょうがない。
来年はもっと日が長い時季に早朝出発して念丈までは行きたいな~。楽しみ楽しみ。
(それまでにはもっとよく響く熊鈴に買い替えよう…。)

最後にどうでもいい一枚ですが…。片方の靴紐の先がぼさぼさになっていたのを熱収縮チューブで補修したんだけど、それが太くて靴の輪っかを通らず、結局片方だけ予備の靴紐を使った今回の私でした。(せっかくなら両方予備のやつにしてもよかったのにね、なぜかバラバラに。)
ネットで探すと靴紐用の熱収縮チューブも出てくるんだけど、種類が少ない上にレビューがあんまりよくない(T_T)
というわけで靴紐ぼさぼさ問題はいまだ解決しておらず、最終的に苦肉の策でぼさぼさ部分をセロテープでギューーーーっと巻いてみました。するとどうでしょう、輪っかにすんなり通るではありませんか・・・!このまま接着剤なんかで固めればなんとか形になるのかね。試してみなければ。
.